カンジダと読んでしまった、あなた。それは、口腔や性器などにいる常在菌である。
カンダタ(陀多)は、芥川龍之介『蜘蛛の糸』の登場人物。もともとは、そういう仏教説話があるのらしいけど。
さて、保育園の朝。保護者と一緒に、子どもたちが登園してくる。お母さんやお父さんと離れたくなくて、泣く子はいる。「ママがいい~」「ほいくえん、やだぁ~」「かえるの~」・・・。
これは、小さい子ももちろんだが、3歳児、いや、5歳児・年長さんでも、たまにはあるのだ。大きい子の方が言葉がハッキリしているので、聞いてて面白い。。。
年長男子のホヨヨ君(仮名)が最近そうだ。
このホヨヨ君、どんなやつかと言うと。秋のバス遠足の時であった。青空の下、みんなでお弁当&おやつ。他の子は食べ終わると、目新しい公園の遊具で遊ぶのを待ちきれずに、次々に飛び出していった。。。しかし、このホヨヨ君だけはどこ吹く風。泰然自若として、おやつのスナック菓子を楽しんでいる。みんなが遊びに行ったから、ボクも行かなきゃ、みたいな焦りは微塵もないらしい。にこやかに平然と、お菓子を堪能していた。
その時、看護師の私は、荷物番&救護係。最後は、骨折治りかけで暴れられない子と、私と、ホヨヨ君の3人になった。「おやつ、美味しい?」と私が聞くと、ホヨヨ君はニッコリとうなづく。・・・ひょっとして、こいつはとんでもなく器がデカいのでは?、と感じたものだ。。。
しかし、そのホヨヨ君が、今、登園間際に泣き叫んでいる。「ほいくえん、こわい~・・・」
聞けば、昨日、年長クラスで担任が読み聞かせた「蜘蛛の糸」の絵本がこわかったらしい。読み聞かせの間も、固まって泣き続けていたらしい。。。地獄の絵、かなりのインパクトだったらしい。。。カンダタ。。。
周りの他の子の保護者も、どうしたのかしら?、と尋ねる。ベテランの担任は「きのう、蜘蛛の糸の絵本読んだのがこわいんですよ」と平然と答える。
・・・こんな時、もっと、大きな保育園であれば、「どうして、そんな、子どもの怖がる本を読み聞かせたんですか?」と苦情を言う親もいるらしい。しかし、ここは定員40名の田舎ののどかな保育園。母親たちも「じゃあ、しょうがないですね」でおしまい。「がんばれ」と保育園をあとにする。。。
ひとり、廊下で泣き続ける、ホヨヨ君。担任のひと言。「あんまり泣いてると、こわいの来るよ」・・・泣きながら、クラスに入るホヨヨ君であった。
今日はこのへんで。