50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

日々の雑感、お仕事や落語・・・

冬はゲロ・・・、いや、ノロの季節。。。

 そういう季節らしいです。

 子どもが吐いてしまうことが、よくあります。そんな時、職員は大騒ぎです。

 『感染性胃腸炎ノロウイルスロタウイルス等)』を、保育園では警戒しているのだ。。。

 だれかが吐いた!!! その時は、ノロウイルスによる嘔吐かも知れない!?という可能性を考慮して動かねばならない。

 それが室内であれば、他の子を部屋の外に退避させる。で、吐いた本人に1人、嘔吐物の掃除に1人、合わせて2人の職員が当たる。この2人の格好がけっこう仰々しい。。。まず、マスクに使い捨てエプロン、使い捨て手袋、シューズカバー、つまり”防護服”な格好で作業に当たる。嘔吐とともに飛散したノロウイルスを封じ込めるのだ。

 そのための手順も確立していて、どこの保育園でも、嘔吐セットが必ず部屋の隅に置かれている。もちろん、職員の嘔吐研修も年に1度はある。で、その研修をするのが、保育園看護師の大きな仕事のひとつだ。。。

 しかし、そこは素人なわたし。

 『○○ちゃん、吐いちゃいました!』とどこかのクラスから呼ばれるたびに、オロオロしながら対応している。

 だいたい、吐いた本人のお着替えは、保育士の先生がやったほうがスムーズ。私は嘔吐物の処理する。

 私が事務室から駆けつけたときには、床の嘔吐物には、古新聞やボロ布がかぶせられている。ウイルスが飛散しないようにである。すでに、保育士先生は防護服スタイルだ。私もあわてて、”防護服”の格好になる。

 嘔吐物が覆えていれば、すぐに部屋の換気。吐いた本人は、泣きもせず、きょとんとしていることが多い。先生がお着替えをさせる。

 ウイルスと戦うのは、私が持参した『ピューラックス0.1%』である。このピューラックス(製品名)はすべての保育園の守護神。謎の液体、またの名を次亜塩素酸ナトリウム、ハイターとも言う。一番手軽で、ほぼすべてのウイルス、細菌に効く消毒薬である。これを、ペットボトルに作っておいて、掃除、消毒をする。

 で、掃除に使った古新聞、ボロ布をビニール袋に捨てる。身につけていた”防護服”一式も捨てる。ビニール袋は2重にする。そして、感染性のゴミ置き場(=使用済みの紙オムツを捨てる箱)まで持って行く。その時の経路も、汚染を拡大しないように、気をつける。最短距離で屋外に出すのだ。窓から、まず、外に出す。

 これは、本人の着ていた服や、布団も同じ。嘔吐物が付着したら、2重にビニール袋に入れて、屋外に出す。保護者の持ち帰りだ。ピューラックスはハイターなので色が抜けてしまうので、使えない。。。

 

 何だか、たいへん。。。私はすでに数回、嘔吐対応にかり出されたが、いまだに慣れない。。。正直、ここまでしなきゃならないの?という気もする。しかし、過去には、ノロウイルスが園内で流行って、一斉に子どもが午睡開けに吐いた、なんてこともあるらしい。もちろん、保健所も入って大騒ぎである。

 でも、めんどい。。。相手は目に見えないウイルス。てか、そもそもウイルス性ではないかもしれない。子どもって、乳児じゃなくても、大人にくらべればよく吐くのだ。

 

 先日、私はつい、こんなことを漏らしてしまった。「・・・けっこう、たいへんですね、嘔吐処理は・・・」

 すると、その先生が冷たく「前の看護師さんが、こうしろって言ったんですよ」

 

 今日はこのへんで。嘔吐の季節は続きます。。。