50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

日々の雑感、お仕事や落語・・・

棘刺創(とげしそう)・・・見えない・・・!!!

 先日のこと。朝の登園ラッシュの時。3歳児、男子の翔くん(仮名)のお母さんに呼ばれる。

 「手に棘が刺さっているようで、痛がっているのですが、受診した方がいいですか?」との質問。

 見ると、かわいい手のひらの木のトゲが刺さっているように見える。細ぉ~いトゲの頭が長さ1ミリほど見えていて、残りは皮膚の下に潜っているようだ。皮膚の状態は、そのあたり全体が直径1センチほど、赤く炎症を起こしていて、トゲがあるのだろう部分は線状に白くふやけたようになっている。

 園長、副園長、看護師の私が代わる代わる翔君の手のひらをのぞき込む。

 3人とも老眼のお年頃である。。。

 もちろん、保育園では、皮膚をとげ抜きでほじくってトゲを抜く、なんてことはしないのである。え?、トゲくらい抜いてやればいいじゃん?。と思うでしょうが、状態によるのだ。その後、化膿したりする危険も考えて、受診してもらうことにした。

 しかし、ここで、ひとつの問題が浮上。

 翔くんのトゲは、昨日、保育園の木製テーブルで刺さったらしいのだ。そして、そのことを保育士の先生は知っていたというのだ。もちろん、その時には、翔くんも痛がることもなく、ただ、手のひらの表皮一枚にスーッと線状の傷がついただけ、に見えたのだそうだ。。。それを、園長にも看護師にも報告していなかった、というのが問題なのだ。

 ただ、しかし。報告されたって、私が見ても、トゲが刺さっているとは分からなかったかも知れない。実際、翔くん本人も、家に帰って、傷が炎症を起こして、痛み出すまで気にするそぶりがなかったのだ。(ちなみに、その保育士さんも、たっぷり老眼なお年頃だ)

 で、受診同行となった。保育園で起きた事故として扱うことになった。

 うちの保育士1名と、翔くんとお母さんで皮膚科に受診。医師は見事に2センチ近い、髪の毛よりも細そうなトゲを引き抜いてくれたそうな。もちろん、翔くんギャン泣き・・・。その皮膚科はおじいちゃん先生なのだが、さすがはプロである。

 結論。

 トゲをあなどってはいけない。何か刺さっているのではないか、としっかり見なければならない。そして、老眼の眼を過信してはいけない。。。

 考えてみれば、うちの保育園の職員は、たぶん4分の3くらい老眼である。たぶん、日本全国、似たようなものであろう。

 今日はこのへんで。