保育園看護師をやってみて、初めての深刻な事態。。。
その日、担任の先生に連れられて大泣きしながら、事務室にやってきた5歳児。わんぱく坊主・アニオ(仮名)、今日はどうした?。アニオは早生まれで、クラスの中でも小柄な男子だが、なぜかケガが多い。今年は園庭で転んでで骨折までしている。
で、今日も園庭で走り回って、他の子に激突したらしい。下唇が切れて血が出ている。。。
園長、副園長と看護師のわたし。「はぁ~い、じゃあ、看護師の先生に歯を診てもらおうか?。アーンってできるかな?」。さすが、5歳児、とくにアニオくんは、歯医者に慣れているらしく、ちゃんと口を開けてくれる。わたしは手袋をはめて、歯のぐらつきを確かめる。
上下の前歯を、指でつまんで揺らしてみる、グラグラはしてないようだった。
(※あとから思えば、もっと丁寧にぐらつきを調べるべきだった。しかし、後編で書くが、歯医者さんも分からなかったのだ・・・。一応、言い訳しておく)
よし。なら、問題は下唇の出血、ぷっくりと腫れてきている。しばらく、医務室で休んで、冷やすことになった。日常茶飯事。保冷剤に布を巻いて、下唇に当ててやる。アニオくんはジタバタしないで、じっとしていてくれる。いつもの、彼よりしおらしい気がする。
・・・あれ?、いつまでたっても、アニオくんの泣きが止まらない。あれ?、いつまでたっても、口を閉じようとしない・・・
「あれ?、前歯がズレてない?・・・」
園長が気づいてくれた。上の右の前歯が、左の前歯より、奥まっている!。あわわわわ・・・!。もともと、こういう歯並びだったのか?。担任も首をかしげる。いくら、担任だって、全員の歯並びまで記憶してないだろうが、少なくと記憶に残るほどガチャガチャな歯並びではなかったようだ。
副園長が、スピーディーにアニオくんの記録を調べる。1年ほど前に、自宅で上の右前歯を欠いて、○○歯科医院にかかっている。「とりあえず、お母さんに電話して、ふだんの歯並びのこと、聞いてみましょう」とわたし。副園長が電話、母はアニオの歯並びが特に気になったことはないと言う。
確定。ぶつかった衝撃で上の前歯がズレたのだ。。。そう言えば、前歯にもうっすら血がにじんでいる。下唇が切れたなんてのは、この際どうでもよかったのだ!!!
副園長とわたしが、アニオくんを車に乗せて、母と○○歯科医院で落ち合うことにする。
わたしが後部座席に並んで座り、副園長が運転。チャイルドシートの当て方がわからずオロオロするわたし、あいかわらず口を開けたままひんひん泣いているアニオくん・・・。
後編に続く。。。