50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

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古典落語『寝床』を聴いてびっくり!!!。。。

 春風亭昇太さんの『寝床』が面白くてびっくり!!!
 春風亭昇太さん、そう、人気番組『笑点』の司会者だ。昇太さんと言えば新作落語と思っていたが、古典落語も面白い。さすがだ!。YouTubeで昇太さんの『寝床』を聴きながら、何度も声を上げて笑ってしまった。ああ、うれしい。

 落語ファンじゃない方も、まあ、読んでみてつかあさい。今日のこのブログを読んで、「自分も『寝床』を聴いてみようかな」と思っていただけたらうれしい限りです。

 

 まず、『寝床』のあらすじ。
 とある大店の旦那が趣味の義太夫(※)にのめり込んでしまう。(※義太夫節の略。浄瑠璃の一種で、主に人形浄瑠璃文楽)の語り物音楽として演奏されます)
 ある日、この旦那が、ご近所の方々を呼んで、自分の義太夫を聴かせる会を開くと言う。しかし、この旦那の義太夫がとんでもないしろもので、そのひどい声を聞かされた日には、命(!)に関わる。まさに、ジャイアン・リサイタル!。
 長屋の連中は、なんだかんだと言い訳をして、義太夫の会にひとりも来ない。ところが、長屋の持ち主(=大家)もこの旦那だ。「あたしの義太夫が聴きたくないなら、今すぐ、みんな出て行ってくれ」と怒り出す旦那。結局、みんな、渋々、旦那の義太夫を聴くことになるのだが・・・。

 

 とにかく、最初から最後まで、笑いがいっぱいのネタだ。
 噺の中では、この旦那の声のひどさ、節回し(メロディ)の下手くそさが、これでもかと、かなりデフォルメして表現される。一番それが楽しめるのが、5代目古今亭志ん生(※)の『寝床』だ。

※5代目古今亭志ん生。昭和の大名人。1973年没。今や、「志ん生」の名は落語会の永久欠番だ(と私は勝手に思っているが、どうなんでしょう?)

 しかし、そう言えば、高田文夫先生が、『早いとこ、昇太に志ん生を継がせりゃいいんだよ』というようなことをずいぶん昔に言っていた。なるほど~。昇太さんは、志ん生の『寝床』をベースにしてやりたい放題だ!

 

 以下、志ん生&昇太さんの『寝床』、曰く。
「あの旦那もねぇ、義太夫さえ語らなきゃ、いい人なんだけどねぇ」
「きっと旦那の先祖が義太夫語りを絞め殺すかなんかしてその呪いなんだよ」
「とにかくね、旦那の声が人間の声ならね、あたしだって聴きますよ。だけど、ありゃ、人間の声じゃないもの。ご隠居さんに聞いたら、ウワバミが山火事で焼け死ぬ時にあんな声を出したそうだよ」
「旦那の義太夫を聞くときは、頭を低くしなきゃダメだよ」
「旦那の義太夫をまともに食らったもんだから、みんなで戸板に乗せて、医者に担ぎ込んで」
「胸に紫色の大きな痣ができてた。医者が言うには、旦那の義太夫が通った痕だってんだよ」
「旦那の義太夫を小さい頃に聞くと背が伸びないなんて言うからね」
「以前、あの店にいた番頭さんは、まだ若くってね、旦那の義太夫にひとりで立ち向かったんだよ」
「逃げる番頭さんを追いかけながら、旦那は義太夫を語ったんだ」
「番頭さんは池に飛び込んで、旦那の義太夫から逃れようとしたんだが、旦那も池の水に顔を突っ込んで義太夫を語り続けた。とたんに池の鯉がプカー、プカーと白い腹を見せて浮かび上がって」
「番頭さんは蔵の中に逃げ込んで、中から錠を閉めたんだ。そしたら、旦那は蔵の壁によじ登って、明かり取りの小窓から中に義太夫を語り込んだ。もう、蔵の中は義太夫が渦を巻いて」
「翌朝、蔵の中から出てきたのは、もう、髪は抜け落ち、よれよれになったおじいさん。しかし、着物は番頭さんのものだ。店の者が恐る恐る『番頭さんですか?』と尋ねると、そのおじいさんは「てじなーにゃ」って言って煙とともに消えたんだよ」
「今、あの番頭さんはドイツにいるって」
・・・もう、最後の方は、わけがわかんない。最高です。。。

 

 いかがでしょうか。聴いてみたくなりましたか?。みなさんも、ぜひ、いろんな落語家さんの『寝床』を聴いてみてくださいね。(YouTubeにあるよ)
 今日はこのへんで。

(なぜ、タイトルが”寝床”なのかもわかります!)