50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

日々の雑感、お仕事や落語・・・

女流落語家。。。この、大いなる損失。。。

 昨日は、社会人落語の会、落語研究会『縁』の定期寄席を、父と聴きに行った。(「観に」ではなく、「聴き」に行く、と言うところが落語っぽい)

 面白かった!。出る人みんな、お上手で大満足でした。初めて補聴器をつけて外出した父もすごく喜んでいた。

 番組は、落語が6人でした。

 で、書きたいのが、6人のうち3人が女性だったこと!。3人の女性のネタは、それぞれ

 ↓

 『紙入れ』

 間男の話。旦那が留守の間に、奥様が出入りの若い男、新吉を誘惑する。さあ、いよいよ、二人でお布団に入りましょう♪ という時に、帰らない予定だった旦那が帰ってきてしまう。あわてる二人。新吉は、なんとか、裏口から逃げ出すことに成功。しかし、ホッとしたのも束の間。紙入れ(財布のことです!)を忘れて来たことに気がつく。どうなる?、新吉・・・

 『明烏(あけがらす)』

 このネタが、素人の落語会で出ること自体、ビックリの大ネタです。しかも、廓話(くるわばなし)。遊郭、吉原のお話。

 主人公の時次郎19歳は、さる大商人の跡取り息子。しかし、あまりにまじめで堅物、毎日本ばかり読んでいる。心配した周りの大人たちが、「観音様におこもり(泊まり込みでの祈願)に行こう」と騙して、時次郎に遊郭での遊びを経験させようとする。吉原に連れて来られて、いざ店に入ると、さすがに世間知らずの時次郎も、ここは遊郭だと気づく。「帰りたい~」と泣き出す時次郎。でも、そこはプロの花魁(おいらん)、蛇の道は蛇。どうなる?、時次郎・・・

 『やかん』

 こちらは、軽妙な滑稽話。知ったかぶりの先生なる人物がトンデモな説明を繰り広げる。「薬缶はなんで”やかん”って言うんですか?」「それはな、昔、合戦でカブトのかわりに薬缶を頭にかぶったら、飛んでくる矢がカーン、カーンと・・・」みたいな話が次々に飛び出す。前座話ですが、講談のくだりも取り入れて、見応え充分でした。

 

 と、蛇足なあらすじを書いてみたが、言いたいのは、3人の女流落語家がとってもよかった!ということ。

 落語というのは、ひとりで何人もの登場人物を演じる物です。若い男、色っぽい50がらみの奥様、面倒見の良い旦那、まじめでひよわな青年、町内の札付き、花魁に遣り手婆(やりてばば)、ご隠居、ハッつぁん、熊さん、与太郎さん・・・老若男女すべて出てくるのです。それを演じる落語家だって、当然、男も女もいていいはず。男でも女でも、落語のうまい人、面白い人ってのはいるもんです!

 最近は、女流落語家の活躍がめざましい。余談だが、あの『笑点』の新メンバーも、次は女性ではないか?と推測する声がけっこうあった(ふたを開けると、春風亭 一之輔だったわけですが、一之輔さん好きですが、)。

 そういえば、もう、”女優”という言い方もあまり聞かなくなった。みんな、俳優。

 ググってみると、古今亭菊千代さんという方が、1993年3月に落語四百年の歴史の中で初の女真打に昇進、とある。へー、やっと、1993年。それまで、女性の才能は、落語界では開かなかったんだ。この間の、損失は大きいなぁ・・・。

 と、つくづく思った私でした。

 今日はこのへんで。