先日、栄養士さんから聞いた話である。
1歳未満のお子さんには、ハチミツをあげてはいけない、というのがある。あるお母さん、離乳食としてパン粥を作ったのだが、その食パンの成分表に「はちみつ」との記載があった。
このお母さん、1歳未満はハチミツはダメ、とは知っていたのだ。だが、ここで、迷った。食パンができるまでには、当然、オーブンの中で焼かれるのだから、ハチミツの何が恐いのかは忘れてしまったが、火を通してるから大丈夫だろう・・・。と思いつつも、ちょっと不安。で、お母さんは友人の栄養士に電話をしたのであった・・・。
グッジョブ。。。
ハチミツは加熱された食品でも、0歳児にあげてはいけないのです。
ボツリヌス菌がいるかもしれないのです。
このボツリヌス菌。増殖するときに、毒素を放出する。迷惑なやつである。その毒素が恐いのである。で、このボツリヌス菌、大人の場合は、体内に入っても、他の腸内細菌との競争に負けてしまうため、問題になることはない。しかし、乳児の場合は、腸内細菌の環境が整っておらず、ボツリヌス菌が増えて毒素を作ってしまう。。。これが、乳児ボツリヌス症。ほとんどの場合、適切な治療により治癒するが、まれに亡くなることもあるのだそうだ。死亡率1~2%くらいらしい。
このボツリヌス菌は、芽胞形成菌なのです。
乾燥したり、暑かったり寒かったり、環境が過酷になると、芽胞という状態に変化するのである。何というか、(私のイメージでは)、頑丈な殻に守られた種子に姿を変えて、じっと耐え忍ぶのである。この芽胞の状態になったものを殺菌するのは容易ではない。ふっくら焼き上がったパンの中にも、この芽胞はいるかもしれないのだ・・・。で、再び、適温、適湿の環境になれば、発芽してふだんのボツリヌス菌の姿に戻り、悪さをするのである。
実はこの芽胞形成菌は、ほかにも食中毒でよく耳にする、ウェルシュ菌などもそうである。加熱されても芽胞になって耐えてしまう。で、冷めるとやがて発芽し、ふだんの姿に戻るのである。。。もちろん、ふだんの姿に戻ったところを、すかさず加熱すれば殺すことができる。間欠殺菌法というやつで、2度、3度加熱する製法が伝統的に行われている菓子類もあるのだそうだ。
・・・うーん、1歳まで・・・。がんばれ腸内細菌。。。
以上、きょうは小耳にはさんだ豆知識。。。
今日はこのへんで。