50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

日々の雑感、お仕事や落語・・・

医療的ケアのこと。。。A子ちゃん。。。

 医療的ケアの研修を受けてきた。

 医療的ケアというのは、たいがいこの3つ。①痰の吸引、②胃ろうからの栄養補給、③導尿、である。あとは、1型糖尿病のこのケアとか、他にもあるんだと思うけど、多いのはこの3つ。

 うちの市では、公立保育園が数カ所あるが、そのうちの2カ所で医療的ケアの必要な子(=医ケア児)を受け入れている。公立保育園の看護師はいつでもヘルプに行けるように、ということで研修があるのだ。

 A子ちゃん(3歳児クラス)は、気管軟化症で気管カニューレを留置してる。気管を切開して管(=カニューレ)をのどの前のあたりから常に空気が取り込めるようにしているのだ。このカニューレの中に痰が溜まってしまうことがる。その時には、細い管を入れて、機械で吸引ということをする。

 ちなみに、A子ちゃん、ふだんはスピーチバルブというのをつけていて、お話もできる。これは、吸う息は切開した穴から、吐く息は穴を通さず、ふつうに声帯を震わせる仕組みだ。

 さらにA子ちゃんは、嚥下が充分にできないので、おなかに胃ろうを開けている。胃に直接、流動食や水を入れるのだ。最近は、ほとんど口から食べられるようになったのだが、まだ、水だけは(水が一番、嚥下がむずかしい。さらさらでむせちゃうのだ)、胃ろうから補給している。

 そのほかにも視力の問題や肢体不自由をかかえるA子ちゃん、ご両親の苦労も並大抵ではない。毎朝、吸引の機械や胃ろうのセットなど、大荷物で登園する。園に着いて、浣腸をして、そこまでがお母さん(←浣腸は、保育園の職員は、基本、しないらしい)。そこで、保育士と看護師がバトンタッチ。

 保育園では、A子ちゃんに、ひとりの保育士がマンツーマンで着く。吸引や胃ろうなどの処置は医務室で看護師とおこなう。曜日によっては、療育の事業者が、A子ちゃんを保育園に迎えに来て、また送ってくる。。。

 社会に受け入れる体制が整っていなければ、医ケア児は生きていけない。

 初めて会ったA子ちゃん。子どもらしい好奇心で、わたしのことをしげしげと見ていた。わたしは久しぶりに胃ろうの処置。なんだか、ぎこちない。すると、すっかり慣れているA子ちゃんは、シリンジ(≒注射器)を持って手伝ってくれる。・・・かわいい♡。

 

 子どもたち、みんなに、これからいいことがたくさんありますように。

 今日はこのへんで。