米作りをしてみて、知ったこと。。。
今回、米作り体験をさせてもらった田んぼは、プロの農家がやっている田んぼの一部だ。そのプロはどのくらい田んぼをやっているかというと、数町だ。
1町(ちょう)≒1ヘクタール≒3,000坪、・・・すごい。なんと、この面積を無農薬無肥料でやってらっしゃるそうだ。稲刈りも終わって、ようやく、この方とお話しすることができた。彼と話して、知ったこと・・・
米作りにはどうしても機械が必要だ。脱穀、籾すりは絶対いる。
そもそも、田んぼを整地するのにトラクターがいるんだろうと思う。
で、大きな面積をやるためには、
種まき。これは、田んぼじゃなくて、農家は庭先で、育苗ポットに種籾を入れて育てるのだが、これだって、機械があると便利だ。
田植え。田植機。
ここから、草取り、という大変な作業がある。慣行農法では、除草剤をまくので、そもそも草取りという作用が発生しない。しかし、この方は無農薬。草取りの手押し車を使っても、気の遠くなるような労力だ・・・。
稲刈り。コンバイン、あっという間に稲刈り完了。しかし、畦で天日干しなんてでいないから、巨大なお米用の乾燥機が必要になる。
ほんとに、農業機械のために、莫大なお金が必要になる。
米作りは赤字だ。。。
数町まで経営規模を拡大したが、黒字にはならない。規模を大きくして赤字を取り戻そうとするのは、ギャンブルの負けをギャンブルで取り戻そうと、さらに金をつぎ込むようなものだという。その言葉が胸に残る。
あと、もうひとつ。
現代の米作りは、手がかからない、兼業で充分やれる農業だ、と言われる。実際、わたしも(たった30坪ほどの面積だが)、種まき、田植え、草取りに数回、で、稲刈りと田んぼに来ただけだ。
しかし、そうではない。彼曰く、毎日、田んぼを見に来てくれる爺さん婆さんがいるから、兼業でもやれるのだ。毎日、稲の生育を見て、田んぼの水の量や畦の状態なんかを管理する、そういう手間を掛けて初めて、いい米の収穫が上がるのだ。彼は、脱サラ農家、毎日、田んぼを見に来てくれる爺さん婆さんはいない・・・。
農業は家族じゃないとできない。ある有名なトマト農家、多くの脱サラ新規就農者を育てているが、そこでも、夫婦そろって働くひとたちしか受け入れないと言っていたのを思い出す。
彼はこれから減反していくという。来年は半分、再来年はもう半分。。。
今日はこのへんで。