「あ、○○ちゃん、怒ってる」
最近、私のいる1歳児クラスの先生たちがよく言うようになった気がする。“怒ってる”っていうのは、自我の目覚めというか、自己主張の始まり。ここから、みんな、イヤイヤ期に入っていくんだな~。
1歳児クラスは月齢によって、ずいぶん発達段階の幅がある。この間まで、何をされても、保育士にされるままだった子が、少しずつ、イヤイヤと怒るようになる。
ほっぺちゃん(仮名・1歳8ヶ月)も最近、成長著しい。つい1ヶ月前まで、常に周囲を観察している感じで、自己主張はせず、”全然、手のかからない子“だった。それが、だんだん、最初はほかの子にいやなことをされると、口をとんがらせて『ブーッ』と言うようになった。今では、イヤァァァーーー!と泣きながら、ほかの子や保育士に自分の思いを主張している。ペシペシとかわいいお手々で攻撃もするようになった。
だいたい、子ども同士のケンカの原因は、オモチャの取り合い。ひとつのオモチャをお互いに引っ張り合っていることもあれば、隙を見てオモチャをかっさらい、逃げていく子もいる。負けた方は、泣いてアピール。五体投地で泣き叫ぶ子もいる。そんな時、おんなじようなオモチャを与えてやれば泣き止んでいた子が、だんだんとごまかされなくなる。京葉線の電車が欲しかったほっぺちゃんに、総武線の電車をあげても、ほっぺちゃんは総武線を投げ捨てて、さらに怒りを沸騰させるようになった。
怒り、って成長なんだなぁ、と気づかされる。
怒りと言えば、アンパンチ。
これは、2歳児クラスの子だったが、彼も怒っていた。理由は忘れちゃったけど、とにかく、彼は自分が理不尽な目に遭ったと強く感じたんだ。ベソをかきながら、私の膝の上に載り、周囲の子たちに「アンパンチ!」「アンパンチ!」と何度も拳を突き出していた。彼はいわゆる未熟児で生まれ、なかなか周囲の子について行けないのだが、やっぱりちゃんと成長している。
怒りって大切。成長の証。
子どもたちと一緒にいると、なんだか、人間の基本的な部分を見せてもらっている気がする。
今日はこのへんで。