50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

日々の雑感、お仕事や落語・・・

老化を思い知らされた日。。。

 私はメガネ男子である。近眼と乱視と老眼。したがって、ふだんは小粋な遠近両用をかけている(彼女のプレゼントだ!)。

 しかし、すてきな大切なメガネを職場にかけてゆくわけにはいかない。古い、もうどーでもいい、壊れたってかまわないメガネをかけて出勤している。実際、前職の放課後等デイサービスでは、知的な遅れがあって人をたたいてしまう中学生がいて、2回ほど顔面をたたかれ、メガネのつるがガタガタになってしまった。

 保育園でも、私の膝に上ってきてそのままメガネをたたいたり、メガネを取って投げ捨てて大喜びする不届きな園児に、4名ほど出会っている。

 なので、保育園でのメガネは遠近両用ではない。昔、まだ老眼を入れてなかったころの古いものだ。これが、・・・不便だ。

 昨日は、1歳児がルームでお遊びの途中、小指の先が痛いとアピールしてきた。見ると、かわいい小さな爪の先がちょびっと裂けている。病棟と違って、基本的に園では爪切りはしないのだが、これは切ってあげなきゃならない。さっそく、救急箱の置いてある部屋に連れて行って、ちっこいはさみで切ってやった。ちょきん。

 ・・・無事、成功。こんな処置でも、私はまだ大いに緊張する。というか、他人の爪を切るのは初めてだ。ちょっと誇らしい気分。『はい、これでいいよ。遊んでおいいで』♡ 保育園看護師の勤めを果たした。

 で、私もルームに戻って、そこで気がついた。視界がボヤッとしている。

 メガネがない!!! そうだ、メガネをしていては、近くが見えないので外したのだ。・・・あれ???、どこに置いた?、あれ・・・

 どこを探してもない。救急箱の部屋にも戻って探したがない。・・・いたいけな私、それだけ初めての爪切りで緊張してたのだ・・・。ない、ない・・・(この間、実に3分間ほど)

 もうしょうがない、みっともないが他の先生方に声をかけて、メガネがあったら、私のだからキープしておくように伝えておこう。とほほ。

 と思ったら、あった。・・・頭の上に。

 愕然とした。これが老化現象である。波平さんである。こんなコントを自分が演じる日が来るだなんて。。。いや、ちがう。波平の設定は54歳である、私はひとつ年上の55歳だ。もう、若くはない。・・・とにかく、他の先生方に何も言わなくてよかった。あやうく生き恥を曝すところだった。平静を装い、何事もなかったようにメガネをかけ直す私。

 

 しかし、あとでまた思う。あのとき、みんなの前で、頭にメガネのっけて『メガネがない~』と騒いで、盛大に笑われ、あきれられた方がよかったかもしれない。そしたらみんな、『ああ、この人は手助けが必要なんだ』と実感して、より一層やさしくしてくれるようになったかもしれない(今もじゅうぶん、やさしくしてもらっているが)。・・・そうなのだ、私はそういう年齢になってきたのだ。・・・新人なのに。