50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

日々の雑感、お仕事や落語・・・

1型糖尿病のお子さんのケア。。。その2「さあ、給食♪」

 さて。

 今日は昨日のブログの続きです。3歳児クラスのミィちゃん(仮名)、1型糖尿病のお子さん。

 ミィちゃんは、インスリンポンプを装着し、24時間、持続的にじわーっとインスリンが体内に注入されている。そして、常時、血糖値がモニターされている。

 このモニターというのは、CGM(持続的グルコースモニタ-)というもので、常時血糖データがスマートフォンもしくは小型モニターに送信され、高血糖低血糖を予測してアラームで知らせてくれる機能があるのだ。このモニターがあることで、周りの保育士さんが、ミィちゃんの血糖値をチェックすることができる。

 1型糖尿病のお子さんは、特に運動制限も、食事の制限もない。基本的に、他の子と同じように過ごすことができる。・・・と、看護学校の授業では習ったが。。。

 先輩看護師にくっついて、ミィちゃんのケアを実習する私。。。

 午前11時。クラスの子たちと一緒に、ミィちゃんが園庭から部屋に戻ってきた。「こんにちは。はじめまして、ミィちゃん」「こんにちは~」ミィちゃんも笑顔を返してくれる。今日の機嫌は良いようだ。

 さあ、これから給食だ。食べる前に、インスリンを追加注入(”ボーラス” と言います)しなければならない。そのためには、採血して血糖値を測定しなければならない。

 ・・・あれ?、採血って、血糖値ってモニターしてるんじゃないの?。はい、そうなのだが。。。CGMでモニターされている値は、血中の血糖ではなく、間質液のモニターなのだ。書いている私もよく分からないが、モニターの先っぽは皮下にとどまっていて、血管内に留置されているわけではない。なので、12時間に1回は、採血をして血糖値を測定し、モニターの誤差を修正しなければならないのだ。。。推定値を実測値で修正する、というイメージでいいと思う。ちなみに、この修正作業を、”較正(こうせい)” と言います。

 モニターでは、ミィちゃんの血糖値は「70mg/dL ↓」この下向き矢印は、下がり傾向を表している 。空腹時の血糖値は、70-110mg/dLとされている。高血糖ももちろんいけないのだが、低血糖になると、人間はただちに命に関わる。手が震え、意識が遠のいていく。意識がなくなる前に捕食をしなければならない。ブトウ糖(ラムネ、ヤクルト、ハッピーターンなど)を口に入れるのだ。

 1型糖尿病のお子さんの場合、医師の診断で、食事の前にはインスリンを何単位(←インスリンの単位です。何CCとか言わずに、何 ”単位” と表します)、血糖値がいくつを超えたら、何単位といった指示が出ている。それに従って、ケアを進める。

 さあ、採血。

 と言っても、注射ではない。指の先などに、針をプチッと刺す器械があるのだ。太い鉛筆みたいのを、手の指に当てて、トリガーを押す、すると針が飛び出す。ミィちゃんのかわいい指の先から、ぷくっと直径2ミリくらいの血の玉が出る。。。その血を測定器をくっつけると、実際の血液中の血糖値が分かるのだ。

 ・・・大した、痛みではないはずだが、これを毎日1~2回は必ずしなければならない。3歳児にしてみれば、いや、大人だって、大きなストレスだろう。もっと医療機器が進歩すれば、この採血もいらなくなるのだろうか。。。

 

 あ、血糖値 60mg/dL・・・、下がりすぎ。。。

 今日はこのへんで。(次回に続きます)