50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

日々の雑感、お仕事や落語・・・

がんばれ!気切っ子。。。

 保育園看護師っぽい仕事をして来た。系列の園の看護師さんが休みだというので、ヘルプに行って来たのだ。そこには、気切っ子が2人いる。年長さんにひとり、年中さんにひとり。

 気切、気管切開のことです。何らかの事情(気道軟化症とか)で気道が閉鎖しやすいお子さんがいます。閉鎖したら息ができないので、手術で穴を開けるのです。胸と首の境い目あたり、と言ったらいいのかな、ちょうどスタイ(よだれ掛け)をつけたら、隠れる位置に穴を開けて、気管カニューレというクダを挿入する。つねにこの穴から空気が交通するので、呼吸が確保される。

 このカニューレという管の中に痰が溜まってしまうので、時々、吸引という医療的ケアが必要になるのだ。そこで看護師が必要になる。

 で、昨日は、私は一日中、年中の気切っ子、ガクトくん(仮名。なんかミュージシャンのガクトに似ているのだ)と一緒にいた。気切っ子は、口や鼻では呼吸していない。気切の穴は声帯よりも下にあるので、声は基本的には出せない。

 しかし、スピーチバルブという物を使って、ふつうにお話している子もいる。ガクトくんの場合は、小さい声は出せるのだが、ほとんど意思表示は身振り手振りだ。

 未熟児で生まれ、現在も小柄なガクトくん。でも、愛嬌いっぱいで動きも活発だ。当たり前に他の子と集団生活を送れている。

 痰の絡む音が聞こえてきたら、「そろそろ吸引する?」と私が聞く。ガクトくんはうなづいて、私の手を引いて保健室に入る。そこで、吸引をする。吸引の際には、看護師はいちおうディスポーザブルのエプロンや手袋をして臨むのだが、ガクトくんがいろいろ手伝ってくれようとするのが可愛らしい。

吸引が終わって、「どう?」と私が聞くと、👍グッドサインを返してくるガクトくん。そして、元気に遊びの輪に戻っていく。

 彼はいずれ気管切開を閉じてふつうに暮らせるようになるかもしれないのだそうだ。そうなることを祈ってるし、もしそうならなくても、彼がサポートを受けながら、元気に学校に通える世の中であって欲しいと思う。

今日はこのへんで。