50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

日々の雑感、お仕事や落語・・・

看護学生時代の苦い思い出。。。採血。。。(前編)

 ボツボツ、学生時代の思い出を振り返ってみよう。

 私が某国立大学の看護学科の、たしか2年生だったころ。私が52歳だったころだ。採血の演習があった。。。

 看護学科の演習には、こんなのがある。ベッドメイキング(その名の通り。シーツの端を三角に折って、とかやるのです)。足浴、洗髪、歯磨きの介助、全身の清拭(このへんは、相手がベッドに寝たままでやる)。血圧測定(これは、生徒同士で何度もやります。聴診器で聴きながらシュポシュポする方法で)。着替えの介助、体位交換(寝返りのこと)、車椅子への移乗の介助(これらは相手が半身麻痺とかの設定でやる)。ストレッチャーでの移送の練習(よくドラマで手術室に患者を乗せていくあれです)。

 で、いわゆる ”医療的ケア” と言われる、胃ろうの注入、痰の吸引、導尿。これらはお人形さん相手でした。(が、学校によっては、学生同士、お互いの鼻の穴から胃袋まで、カテーテルという管を挿入し合ってみるところもあるそうだ。すごい!!!)

 そして、採血と注射。これが問題である。

 一般の方は、誤解してる人が多いが、法律上、卒業して看護師免許を取るまで、人間相手に採血したり注射したりはできないのだ。だから、基本的にはお人形さん、というか腕だけの模型を相手に練習する。あ、筋肉注射の練習には、グレープフルーツも使います。あの皮の弾力がちょうどいいんだそうです。(※あとで、スタッフで美味しくいただきます。)

 そして、最後に1回だけ、学生同士、お互いの腕に針を刺す授業があるのだ!!!

 

 採血演習の当日。学生は1学年80名、私の代は男子が私を入れて、たった3名だった。52歳と20歳と19歳の3人の男子。。。

 もちろん、人の腕に針刺して血を抜くなんて、すっげえ怖かったが、そこはまあ、先生たちも事故が起きないように、何度も手順を学生の頭にたたき込み、いよいよ針を刺す段では、その脇で目を皿のようにして見守っていてくれる。

 私とペアを組んだクラスメートは30代女子。(あ、うちの大学は社会人枠というのがあるのです。この彼女は、ほんとは1学年先輩なのだが、出産で休学、復学してきたのだ。社会人学生の出産、休学、これも看護学科によくあるパターン。彼女は5年で大学卒業、その間に2人ご出産でした。)

 私たちは、お互いに血管が見えやすい同士だった。血管の見えやすさは、年の功でもある。やはり、二十歳そこそこの現役学生とは貫禄がちがうのだ。お互い、無事に終了。

 ま。結局、無事に79名が合格したんだけどね。・・・あれ、あと1名は?。こらこら、男子のこまったちゃん(仮名)が欠席である。もう、あいつは~・・・。

 

 で、やさしい先生は、こまったちゃんを救うべく、補習を行ってくれた。

 ある日の夕暮れ。演習室には、先生と困ったちゃん男子、そしてボランティアの私。私は、数少ない男子のクラスメートのために、自分のこの、すっごく見えやすい血管を差し出していたのだった。。。(後編に続く)

 

 今日はこのへんで。