衝撃である。いったい、どうしたことか?
まだ午前9時頃、担任の先生が、私を呼びに来た。
「ミドリくんの爪がないんです!」2歳児男子、ミドリくん(仮名)
ないって、どゆこと????。雰囲気が緊迫している。ガチで、”生爪をはがした”ってやつだろうか、ドアにでもはさんだとか?。もちろん、保育園の建物はすべてのドアにクッションが付いているのだが。とにかく、大怪我である、こりゃ、病院に連れてってあげねば・・・、などと思いながら。
2歳児クラスに行くと、ミドリくんは、ポカンと、いつもと変わらぬ様子で、右手の親指をしゃぶりながら立っている。私を見上げる表情もいつもと変わらない気がする。ちょっと嬉しそう。しかし。
・・・左足の小指の爪がほとんどなくなっている、もちろん、出血したのだが、ほぼ血は止まっている。そして、何より、本人に痛がる様子がまったくない・・・。
どゆこと?
担任の先生が、オムツ替えの時に、まずミドリくんの手の指に血が付いていることに気がついた。それも、おびただしい出血というわけではない。指先に血が付いてたので、どこかひっかいたかな?と、全身、傷を探したら、なんと、足の小指の爪がはがれてなかったという。もう、すでに出血は止まっている。
ミドリくんが、転んだり、ぶつかったり、まして、泣いたりするようなことは朝の登園時からなかったという。
ちなみに、2歳児までは、室内では裸足ですごしている。(靴下だとすべって転ぶから。3歳児以上は、上履きを履く。)
で、毎朝、登園の時にお母さんが靴下を脱がせるのだが、ほんの2時間くらい前のことだ。その時、ミドリくんの左足小指には異常がなかったのだろうか?。
・・・爪、自然にポロッとはがれ落ちたんじゃないの?
これが、私の推理、というかカンである。子どもは手足口病(※)で爪がポロッと取れちゃうことがあるらしい。ミドリくんが最近、手足口病にかかったわけではないが、何かそういうウイルスとか菌とかで、ポロッとはがれたんではないだろうか。だから、痛がりもしない。(※ 子どもの3大夏風邪のひとつ。ウイルス性で手足口に水疱ができます。)
いや、もちろん、幼児の場合には、痛みの訴えがとぼしい子、めったに泣かない子というのはいる。ミドリくんもそっちの感じはある。
ベテランの園長も首をかしげる。とにかく、まずは、保護者に電話で報告。何も隠さず、報告する。これが、保育園の大原則だ。さらに、この場合、登園前から爪がどうかなっていたのなら、保育園の責任ではない。そこをまず確かめようという意図もあった。
担任の先生が電話口で話し出す。お母さんが、出てくれたようだ。
「・・・それが、ミドリくんの、左足なんですけど、小指がほとんどなくて・・・!」
落ち着け、担任。小指はある。小指の爪がないのだ。(後編に続く)