50代新人看護師、保育園に行く。で、ときどき落語

日々の雑感、お仕事や落語・・・

たぬきの札。。。やって来ました!。。。

 昨日は、穴川寄席。穴川コミュニティセンターでの落語会。会場設営や受付など、すべてコミセンの職員さんがやってくれるのでありがたいが、お客さんは、木戸銭500円を払っての入場なので、ちょっと緊張もする。

 でも、考えてみれば、わざわざお金を払ってまで聴いてくれるお客さんである。楽しく笑うために来てくれているのだ。私の緊張をよそに、昨日も”いいお客さん”ばかりだった。つまり、積極的に笑ってくれるお客さんばかりで助けられました(笑)!。

 もちろん、他の出演者の落語もみなさんすごくお上手だった。大ネタ「明烏(あけがらす)」を見事に演じる方もいてビックリ。。。

 

 で、私がやったのは、狸札(たぬさつ)。かわいいお話です。(古典落語の題名は、公式決定がされてるわけではないので、「狸札」だったり「狸の札」だったりする。)ストーリーはこんな感じ。

 ある時、子だぬきが村の子どもたちに捕まっていじめられている。それを、通りがかった男が、子どもたちから買い取って逃がしてやる。すると、夜になって、子だぬきが恩返しにやってくるのだ。

 何にでも化けられる、と言う子だぬき。借金の催促に弱っていた男は、子だぬきの化けた10円札を、借金取りに渡してしまう(たぬきというのは、1枚の紙のお札にも化けられる。とんでもない能力である!)。そして、子だぬきは、まんまと借金取りの財布の中から、逃げ出して戻って来る。しかも、財布の中にあった別のお札をお土産に持ち帰るという大サービス。

 いろんなくすぐり(ギャグ)が入れられる噺でもある。

 昔話のような、かわいらしいテイストでもあり、SF=”すこし不思議”(藤子不二雄の造語)のような、SR=”ショートSF落語”(桂枝雀の造語)のようでもある。大好きな演目だ。

 下げ(オチ)は、「(たぬきの化けた)札が、(本物の)札をくわえてきやがったな!」という男のセリフ。

 私は、このおもやげの札が、さらに、古ハガキに変わってしまう、という下げで終わりにしている。これは私のオリジナル。たぬきというのは、古ハガキをお札に変えるという技も持っているのだ。もっとも、たぬきの手を離れてしばらくすると、元のハガキに戻ってしまう。つまり、借金取りの財布の中にあったお札も、別のタヌキが古ハガキで化かしたものだったのだ。どうやら、この世の中、あちこちでたぬきの恩返しが行われているらしい・・・。この下げ、気に入ってます!。

 

 「狸札」はそのまま「狸の鯉」に続くこともあります。元はひとつの「狸」という噺だったとか。さらに「狸賽(たぬさい)」もある。それぞれ、たぬきが鯉に化けたり、サイコロに化けたりする噺。

 みなさんもどうぞ聴き比べてみてくださいな。

 今日はこのへんで。