連休初日、12月29日は朝から小旅行だ。
人生初の父との2人旅。父84歳、私55歳。じーさんとおっさん、と言いたいところだが、私も”じいじ”と呼ばれておかしくない年である(ホテルで家族連れなんかに遭遇するとほんとそう思う)。ダブルじーの旅だ。
母は10月の末に亡くなり、四十九日、納骨を済ませたばかりだ。ここ10数年、両親は老老介護で、認知症の母を父がひとりで世話をしていた。母は要介護2で、週4回デイサービスで風呂に入り、ヘルパーも利用できたていたが、だんだんトイレが難しくなって(=わからなくなって)、特に夜間の下の世話は大変だったようだ。「男の介護を語ろう会」なんてものに参加している父も、『これ以上、手がかかるようになったら、(施設に入れることを)考えなきゃいけないかなぁ…』とこの1年くらいは漏らすようになっていた。けれど、突然、あまりにもあっけなく母は逝ってしまった。急に背中のあたりが痛いと言い出して、救急車を呼んで、その翌日、病院で心肺停止になった。医師の診断は老衰。
『老衰』。。。これほど、家族の肩の荷が下りる死因は亡いな・・・と思う。
今はとにかく、父、お疲れさん。
初めての父との2人旅。天気は最高の晴れ。房総半島の内房、外房の海を1泊2日で巡った。富津岬から鴨川へドライブ。
出かける前は、2人きりで会話が弾まないかと心配だったが、そうでもなかった。父も私も、寡黙な方では無い。むしろ、父は80過ぎの男性のイメージに反して(←あくまで私の持つイメージね)、言葉の表現がソフトでまめだ。『ありがとうな』『楽しいな』『ああ、こんなところ初めて来れたよ』『いい旅行だな』・・・などと素直に喜んで、言葉にしてくれる。私もそのたびに『また来ようね』と答える。こんなに父に感謝されたことは、私の人生で初めてではないだろうか。ビバ、親孝行。
ふところに母の写真を持ち歩いていて、景色のいいポイントに来ると、”母にも見せる”と写真を取り出す父。・・・介護、お疲れさま。
そして、父も歳をとったな、と感じる。
父はどんな人かと言うと、よく町内の夏祭りとかで、お神輿の先頭に立って、巨大なうちわを持って浮かれているジジイがいるが、そいつである。
しかし、歳をとった。
ここ、1、2年、父も認知力がガクンと落ちた気がする。それは、姉も、本人も気づいている。父も最近、自分の物忘れに落ち込むことが多くなった。。。
はっきり言うが、55歳の私の素直な感想として、
歳をとるのに良いことなんてひとつもない。さびしいし、かなしいよ。
・・・ただ、たまには、こんないい日もあるってことさ。